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夫婦別姓、女性の再婚禁止期間について、最高裁が憲法判断に踏み切ります!

2月18日、最高裁判所は、現行民法の定める「夫婦は同じ姓を名乗らなければならない」という決まりと、女性については、「離婚から6カ月経過しないと再婚できない」という決まりについて、憲法の保障する男女平等の権利に反するかどうかの判断に踏み切ることを決めました。今日は、このニュースについて書きたいと思います。

 現行民法は、夫婦の氏(姓)について、「夫または妻の氏を称する」(民法750条)としており、夫の姓を名乗らなければならないとはしていません。しかし、現実には、96.2%の夫婦が、婚姻時に夫の姓を選択しており(2008年人口動態統計より)、職業上・社会生活上、様々な不利益を被っている女性がたくさんいます。
 この問題について、選択的夫婦別姓制度(夫の姓でも妻の姓でも、それぞれ別の姓のままでもよいという制度であり、決して、「別姓」を強制されるものではありません。)等を盛り込んだ民法の改正案が、1996年には法制審議会において決定され、法務大臣に答申されています。また、国連の女性差別撤廃委員会も、2009年には、このように同姓を強制する規定は差別的なものだとして、民法の規定を改正するよう厳しく勧告しています。
 にも関わらず、「選択的夫婦別姓制度の導入により、家族のきずなが失われる」などの反対意見によって、現在まで改正がなされずにきました。

 また、女性にのみ課されている6か月間の再婚禁止期間については、1995年に、最高裁判所が、この規定は、子どもの父親が誰であるかの推定が重複することを回避し、父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにあると判断しましたが、科学技術の発達により、DNA鑑定等による父子関係の確定が簡単になっている現在においては、もはや再婚禁止期間を定める合理的な根拠は失われていると考えられます。

 実は、家族関係のあり方を巡る民法の規定について、最高裁判所は、2013年に、婚姻していない男女の間に生まれた子(婚外子)の相続分は、婚姻している男女の間に生まれた子の相続分の2分の1であると定めた当時の民法900条4項について、憲法の定める法の下の平等(憲法14条)に違反すると判断し、その判断に基づいて、民法は改正されました。
 今回、「最高裁判所が憲法判断に踏み切る」というのは、決して、「これらの規定を憲法に違反すると判断する」という意味ではなく、真逆の結論を導く可能性もあります。しかし、これまで最高裁は、これらの問題について憲法判断を避けてきたので、今回のこの決定は画期的なものなのです。

 婚姻によって姓を変えなくてもよい権利は、欧米ばかりでなく、今やアジア諸国においても、当然のように認められているものです。また、再婚禁止期間についても、女性にのみそれを課することは男女平等に反しますし、その女性、それからその女性と結婚したいと考えている男性が結婚する権利をも侵害しているものといえます。司法の最高機関である最高裁判所には、時代に逆行する判断を決してしてほしくないものです。
 これらの問題については、福岡県弁護士会でも、2010年、「選択的夫婦別姓の導入」、「女性の再婚禁止期間の撤廃」、「婚外子差別規定の撤廃」を求める会長声明を出し、運動を後押ししてきました。当事務所でも、福岡県弁護士会の両性の平等に関する委員会に所属するメンバーを中心として、国会議員に法改正の要請をするなどして、これらの運動に関わってきましたし、高い関心を寄せてきました。今回のニュースが流れた日、事務所の内部では、「とうとう最高裁が!」とメールが飛び交いました。

 余談ですが、安倍内閣は、「女性が輝く社会」を掲げ、女性閣僚を過去最高の5名登用しました(そのうち二人が内閣発足後すぐに辞任したのは、皆様も記憶に新しいことと思います。)。しかし、高市早苗氏は、国会議員時代に、選択的夫婦別姓制度の導入について反対意見を示していますし、山谷えり子氏、「女性活躍担当相」に就任した有村治子氏に至っては、2010年に開催された「夫婦別姓に反対する国民大会」に出席しています。山谷氏、有村氏はともに、男女共同参画などに反対する「日本会議」のメンバーでもあります。また、安倍首相と近い立場にあり、思想的にも似ていると言われるNHK経営委員の長谷川三千子氏は、昨年、「女性の社会進出が出生率を低下させた。男は仕事、女は家事育児という性別役割分業は哺乳動物の一員である人間として、極めて自然」などという男女共同参画政策に反対するコラムを産経新聞に寄せ、物議を醸しました。
 このような政権に、果たして本当に「女性の活躍の実現」が果たせるのか、大いに疑問です。このような政治情勢であるからこそなお余計に、最高裁判所には、是非とも、現行民法の定める夫婦同姓の強制、女性の再婚禁止期間が憲法に違反していると判断してほしいものです。

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